インラインスケートの老舗Rollerbladeの入門ブーツの決定版「RB Cruiser」。
以前は「RB 80」というブーツが販売されていましたが、それに代わってフレームやウィールが変更された「RB Cruiser」が2019年より登場しました。
ちなみに、2020年に新発売された「RB Cruiser W」は、色違いの女性用モデルとなります。
それでは「RB Cruiser」のスペックと使用感をご紹介していきましょう。
スペック
「RB Cruiser」の各パーツのスペックや特徴です。
商品
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
商品名 | RB Cruiser | - |
メーカー | Rollerblade | - |
型番 | 07957000477 | - |
参考価格 | 24,000円 | 税別 |
総重量 | 1,458g | 26.0cm片足 |
構成
パーツ | ギア | 重量 | 規格 |
---|---|---|---|
ブーツ | RB (26.0cm) | 752g / 片足 | - |
フレーム | Ext Alu 243mm | 240g / 片足 | 165mm |
ウィール | Urban 80mm/85A | 89g / 個 | - |
ベアリング | SG7 | 11g / 個 | 608ZZ |
ブーツ
- シェル:RB
- インナーブーツ:RB 80 Liner
- 外側のプラスティックのシェルと、柔らかいウレタンのインナーブーツで構成されたハードブーツ。
- ブーツだけの重さは、26.0cmサイズのもので752g。
- フレームマウントは165mm間隔のVフレーム規格。同規格の他のフレームの取り付け可能。
- フレームを取り付けるマウント部分は金属パーツを使用。
- 前後のマウントパーツにそれぞれ3つの穴があるが、ネジの溝があるのは真ん中のみ。
- バンパーと足の甲部分のバックル(45° Buckle RB 80)はネジ留めだが、交換パーツの入手は難しい。
- カフやカフに付属のバックルはリベット留めのため、基本的に交換不可。
フレーム
- Ext Alu 243mm
- おそらくプレス加工されたアルミ製。
- 最大ウィール径が80mmの4輪フルフラット仕様。
- フレーム長は243mm。
- マウントは165mm間隔のVフレーム規格。
- 取り付け位置を左右約2cm調整可能。
- ブリッジなし。
- シャフトは両締めの6mm。
ウィール
- Urban 80mm/85A
- RB Cruiserのみに付属する低ランクのウィール。
ベアリング
- SG7
- Rollerblade独自の等級規格SGの真ん中のランク。
- 両面金属シールド。
その他
- ヒールブレーキ「Brake Support RB 80」付き。
- ヒールブレーキを取り外した時に必要になるショートシャフトも同梱。
レビュー
「RB Cruiser」を実際に履いて滑った使用感です。
履き心地
インナーブーツはパッドに適度な厚さと柔らかさがあるので、長時間履いていても足が痛くなりません。
ブーツの全体的な作りが少し柔らかすぎる感もあり、ブーツに負荷が掛かるようなハードな滑りをすると、サポート力が少し足りない感じがします。
また、もう少しフィット感も欲しく、特にかかと周りの収まりが甘く、かかと浮きが気になりました。
前にはどこまでも倒し込めますが、左右のサポートはカフが支えてくれるので、通常の滑走では問題ありません。
バックルの締め具合にも寄りますが、足首の可動域はしっかり確保されているので、足の動きを妨げる感じはありません。
かかとの下にショックアブソーバーが配置されていますが、あまり効果を感じませんでした。
操作性
足首の可動性とサポートが両立していて、フレームが足裏のセンターに位置しているのでブーツに乗りやすく、通常の滑走やスケーティングの練習がやりやすいです。
シェルのフレームマウント部分は金属パーツを使用しているので、フレームやウィールへの力の伝達はなかなか良いです。
しかし、プレス加工の安価なフレームのせいなのか、レスポンスがあまり良くありません。
普通に滑っている分にはさほど気になりませんが、スラロームのコンビネーション技などで機敏な動きを続けると、一瞬遅れてブーツが反応するような、もっさりと重い操作感となります。
ウィールのグリップ感が少なく、路面からの衝撃も伝わってくるなど、硬い印象です。
スピード
フレーム、ウィール、ベアリングは決して高品質なものではないですが、意外とスピードが乗ります。
2万円台のブーツとは思えないほど、スピード感を楽しめます。
カスタマイズ
消耗品のウィールやベアリング、ヒールブレーキのゴム製ブレーキパッドが交換可能です。
インナーブーツやインソールもサイズが合えば他社製品に入れ替えられます。
フレームは一般的な165mm2ポイント規格のフレーム(Vフレーム)と付替えることができます。
右足に付いているヒールブレーキが取り外せます。取り外し後に必要になるショートシャフトが付属しています。
カフやバックル類はリベット留めなので、簡単に交換できません。
そのため、ハードな使用に耐えられなくてシェルやカフのどこかが破損した場合、簡単にパーツ交換や修理ができません。
コスパ
各パーツは最良のものではありませんが、履き心地や滑り心地はスペック以上に感じました。
定価の24,000円(税抜)はそれほど悪くないと思いますが、もし税込みで23,000円以下で買えたら、コスパ最強の入門者用ブーツと言っても過言ではないと思います。
総評
この「RB Cruiser」は入門者や初心者の人たちが使用するには十分なスペックと滑り心地です。
レビューではあまり良い評価を書いていませんが、それはこのブーツよりもっと価格が高く、もっと品質が良いブーツがあるからです。
インラインスケートを楽しむために初めて買うブーツとしては十分に合格点を超えていますので、「インラインスケートを始めたいけれど良く分からないので、とりあえず安いブーツが欲しい」という人に、このブーツはうってつけでしょう。
パーツ交換は可能ですが、自分好みにカスタマイズしていくと結構な金額になってしまうので、好みのスペックのブーツを新たに買った方が結果的に安上がりになると思います。
このような理由で、練習してすり減ったウィールや回らなくなったベアリングを買い替えたり、あるいは他ブーツにも流用できるインソール類の交換以外はお勧めしません。
このブーツで3ヶ月〜1年くらい練習して、「もっと上達したい!」「違うジャンルを楽しみたい!」と思ったら、いろいろパーツ交換をしないで、不満点を解消してくれるブーツや遊ぶジャンルに合ったブーツに買い換えると良いでしょう。
購入後の改良アドバイスとなりますが、かかと下にソルボヒールなどのショックアブソーバーを入れるか、ショックアブソーバー付きのインソールに入れ替えると良いでしょう。
購入したしたままの状態ですと、かかとが少し低く、ブーツに搭載されているショックアブソーバーもあまり効果がないように感じました。
そこで、かかとの高さと保護をインソール類でカバーしてあげると、ジャンプの着地時などにかかとの怪我を防ぐことができるだけでなく、操作性も良くなると思います。
参考
サイト | ページ | 説明 |
---|---|---|
Rollerblade | RB CRUISER - Rollerblade International | 公式ページ |
Skrap | ハードブーツ5種評価会:ランキング | 当サイト |
Skrap | ハードブーツ5種評価会:「RB Cruiser」評価詳細 | 当サイト |