RB Cruiserの上位モデル「RB 80 Pro」のスペック&レビュー

Rollerbladeの入門用ブーツ「RB Cruiserの上位モデルとなるのが、この「RB 80 Pro」です。
ブーツの作りの基本路線はRB Cruiserと同じですが、インナーブーツ、フレーム、ウィールなどのパーツがランクアップ。
初心者はもちろん、使用用途によっては上級者にも購入を勧められる、なかなか出来の良いブーツとなっています。
では、「RB 80 Pro」のスペックと使用感をご紹介していきましょう。

スペック

「RB 80 Pro」の各パーツのスペックや特徴です。

商品

項目 概要 備考
商品名 RB 80 Pro -
メーカー Rollerblade -
型番 07061500S23 -
参考価格 31,000円 税別
総重量 1,469g 26.0cm片足

構成

パーツ ギア 重量 規格
ブーツ RB (26.0cm) 752g / 片足 -
フレーム Ext Alu 246mm 172g / 片足 165mm
ウィール Supreme Urban 80mm/85A 91g / 個 -
ベアリング SG7 11g / 個 608ZZ

写真1 RB 80 Pro(ヒールブレーキ付きの状態)

写真1RB 80 Pro(ヒールブレーキ付きの状態)

ブーツ

  • シェル:RB
  • インナーブーツ:RB 80 Liner (High Performance)
  • 外側のプラスティックのシェルと、柔らかく厚めのパッドのインナーブーツで構成されたハードブーツ。
  • ブーツだけの重さは、26.0cmサイズのもので770g。
  • フレームマウントは165mm間隔のVフレーム規格。同規格の他のフレームの取り付け可能。
  • フレームを取り付けるマウント部分は金属パーツを使用。
  • 前後のマウントパーツにそれぞれ3つの穴があるが、ネジの溝があるのは真ん中のみ。
  • バンパーと足の甲部分のバックル(45° Buckle RB 80)はネジ留めだが、交換パーツの入手は難しい。
  • カフやカフに付属のバックルはリベット留めのため、基本的に交換不可。

写真2 ブーツ「RB」(High Performanceインナー入り)

写真2ブーツ「RB」(High Performanceインナー入り)

写真3 左:ブーツの底 右:ブーツを上から

写真3左:ブーツの底 右:ブーツを上から

フレーム

  • Ext Alu 246mm
  • 押出成形のアルミ製。
  • 最大ウィール径が80mmの4輪フルフラット仕様。
  • フレーム長は246mm。
  • マウントは165mm間隔のVフレーム規格。
  • 同規格の他のブーツに取り付け可能。
  • 取り付け位置を左右約2cm調整可能。
  • 3-4輪間のみブリッジあり。

写真4 上段:フレームを横から 中段:フレームを上から 下段:フレームを下から

写真4上段:フレームを横から 中段:フレームを上から 下段:フレームを下から

ウィール

  • Supreme Urban 80mm/85A
  • Rollerblade製ウィールの中では真ん中のランク。
  • 別売り販売あり。

ベアリング

  • SG7
  • Rollerblade独自の等級規格SGの真ん中のランク。
  • 両面金属シールド。

写真5 左:ウィール「Urban 80mm/85A」 右:ベアリング「SG7」

写真5左:ウィール「Urban 80mm/85A」 右:ベアリング「SG7」

その他

  • ヒールブレーキ「Brake Support RB 80」付き。
  • ヒールブレーキを取り外した時に必要になるショートシャフトも同梱。

写真6 ヒールブレーキ

写真6ヒールブレーキ

レビュー

「RB 80 Pro」を実際に履いて滑った使用感です。

履き心地

インナーブーツは、パッドに適度な厚さと柔らかさがあるので足入れ感は良く、長時間履いていても楽で、足が痛くなりません。
RB Cruiserでは気になった、かかと浮きもありませんでした。
ブーツの作りは柔らかめですが、高負荷を掛ける滑りをしない限りは、剛性やサポート力が足りない感じはしません。

前にはどこまでも倒し込めますが、左右のサポートはカフが支えてくれるので問題ありません。
バックルの締め具合にも寄りますが、足首の可動域はしっかり確保されているので、足の動きを妨げる感じはありません。

かかとの下にショックアブソーバーが配置されていますが、あまり効果を感じませんでした。

操作性

ブーツのフレームマウント部分が金属で、アルミフレームの質が良いので、レスポンスが良く、機敏に動けます
カフやインナーブーツは柔らかめですが、足首の可動域とサポート力のバランスが良く、足を動かしやすいです。
フレームが足裏のセンターに位置しているので、癖がなく、ブーツに乗りやすいです。

基礎スケーティングはもちろん、スラロームにも対応できます。
ロッカリングをすればトリックスラロームの飛燕なども問題なく滑れますが、ブーツが柔らかめのため、フリースタイルスラローム(FSS)は少し厳しいでしょう。

ウィールの「Supreme」はグリップ感はそこそこあるけれど、スライド技もやりやすく、スピードも乗りやすいです。
「Hydrogen」のようなスムースな滑り心地はなく、路面からの振動はそれなりに伝わってきます。
Powerslideのウィール「Spinner」に似ていて、オールマイティに使えると思います。

このランクのブーツとしては操作感に不満はなく、気持ち良く滑ることができました。

スピード

フレームの精度や剛性が高く、ベアリングも良く回り、ウィールもスピードが乗りやすいので、十分にスピード感を楽しめます

カスタマイズ

消耗品のウィールやベアリング、ヒールブレーキのゴム製ブレーキパッドが交換可能です。
インナーブーツやインソールもサイズが合えば他社製品に入れ替えられます。
フレームは一般的な165mm2ポイント規格のフレーム(Vフレーム)と付替えることができます。
右足に付いているヒールブレーキが取り外せます。取り外し後に必要になるショートシャフトが付属しています。

カフやバックル類はリベット留めなので、簡単に交換できません。
そのため、ハードな使用に耐えられなくてシェルやカフのどこかが破損した場合、簡単にパーツ交換や修理ができません。

コスパ

ブーツ自体は良い物なのですが、コスパとなると微妙です。

税別の定価が31,000円です。この3万円前後の価格帯のブーツは各社がいろいろ出していて、Rb 80 Proはその中で飛び抜けてコスパが良い訳ではありません。かと言って、他と比べてコスパが悪い訳でもありません。

もう少し安かったらおすすめしやすいのに……」という気持ちが正直なところです。

写真7 履き心地も滑り心地も良い「RB 80 Pro」

写真7履き心地も滑り心地も良い「RB 80 Pro」

総評

RB Cruiserの上位モデルだけあって、RB Cruiserの不満点(インナーブーツのフィット感、安物のフレームなど)を見事に解消しています。
上を見ればキリがありませんが、うまく性能をまとめていると思います。

Rollerbladeの公式サイトでは初心者〜中級者向けブーツとなっていますが、まさに、初めて買うブーツあるいは2足目のブーツとして最適だと思います。
カフ周りは少し柔らかめですが、操作に対するレスポンスも良く、各パーツのランクも中級ランク程度なので、ちょい履きブーツとして上級者が気軽に使用するのも悪くないと思います。

サポート力がそこそこあるので、公園や街中をただ滑るだけでなく、ジャンプしたり階段を降りたりするフリースケートも楽しめます。
またスラロームの基本技の練習にも対応できますし、1輪目と4輪目に76mmのウィールを入れてロッカリングすれば、トリックスラロームを楽しむことも可能です。

負荷が強い滑りを続けると、カフやバックルが外れたり破損したりして、自分で修理ができなくなる可能性があります。
フリースケートやスラロームをがっつり練習するようになったら、パーツ交換が容易なブーツに買い換えた方が良いでしょう。

購入後の改良アドバイスとなりますが、かかと下にソルボヒールなどのショックアブソーバーを入れるか、ショックアブソーバー付きのインソールに入れ替えると良いでしょう。
購入したしたままの状態ですと、かかとが少し低く、ブーツに搭載されているショックアブソーバーもあまり効果がないように感じました。
そこで、かかとの高さと保護をインソール類でカバーしてあげると、ジャンプの着地時などにかかとの怪我を防ぐことができるだけでなく、操作性も良くなると思います。

参考

サイト ページ 説明
Rollerblade RB 80 PRO - Rollerblade International 公式ページ