ウィールの形状による特性の違いを解説

ウィールは、サイズや硬度の他に、接地部分の丸さの形状(Profile)にも種類があります。
おおまかに分類すると、「ブレット(Bullet)」「フルラディアス(Full radius)」「フラット(Flat)」の3つ。
ジャンルによって形状が決まっていて選択の余地がない場合もありますが、楽しみ方によって使い分けることもできます。
もしウィールを選ぶ時に丸さの形状で迷った場合は、下記の解説を読んで、自分に合ったウィールを選んでみてください。

形状

接地部分の丸さの形状によって、どのような特性や滑りの感触の違いがあるかを解説します。

ブレット

ブレットのウィール(Hyper / Concrete Z1 Rosato 76A)
写真1 ブレット形状のウィール例(Hyper / Concrete Z1 Rosato 76A

 スピード:★★★
 安定感 :★☆☆
 操作性 :★★★

断面の形状は銃弾や口紅のような、先が尖ったような形をしています。
接地面積が細く(小さく)、安定感よりスピード重視、細かい操作もしやすい形状です。
エッジの乗り換えの瞬間が分かり、クイックイッと気持ちよくアウトエッジからインエッジに切り替えてキックしていくことができます。

フルラディアス

フルラディアスのウィール(Hyper / Pro 250 Orange)
写真2 フルラディアス形状のウィール例(Hyper / Pro 250 Orange

 スピード:★★☆
 安定感 :★★☆
 操作性 :★★☆
  
断面の形状が半円に近いものがフルラディアスです。
尖っているブレットと平らなフラットとの中間の形状で、特性も両者の中間になります。
フラットより安定感は欠けますが操作性や加速が良く、バレットよりスピードが出にくいけれど安定感があります。
アウトエッジからインエッジに乗り換えた瞬間の感覚は特になく、ぬるっとエッジが切り変わります。
エッジの切り替えなどで不安定になることはないので、初心者でウィールの形状で迷った場合は、フルラディアスを選ぶと良いでしょう。

フラット

フラットのウィール(Hyper / Juvenile Delinquent Black)
写真3 フラット形状のウィール例(Hyper / Juvenile Delinquent Black

 スピード:★☆☆
 安定感 :★★★
 操作性 :★☆☆
  
断面の形状は円というより、角丸の四角に近く、平らになっている部分があります。
路面との接地面積が大きく、接地時の安定が抜群です。
スピードや操作性より、とにかく安定感を重視した形状です。

ジャンル

インラインスケートのジャンル別からの視点で、どの形状のウィールを選ぶと良いかを解説します。

スピード

 おすすめ形状:ブレット
  
スピード用ウィールはブレットしか選択肢がありません。

街乗り(CR)、ロングライド(LR)

 おすすめ形状:ブレット、フルラディアス

街乗りやロングライドでは、スピードやエッジの切り替えの感覚を楽しみながら滑りたいのならブレットを選択。
街中で滑ることが多く、あまりスピードを出さないのなら、安定感のあるフルラディアスでも良いと思います。

スラローム、フリースケート

 おすすめ形状:フルラディアス、ブレット
  
スピード感やエッジの切り替え感より、安定感がある方が良いスラロームやフリースケートは、フルラディアスを選んでおいた方が無難です。だからと言ってブレットで滑っても問題がある訳ではなく、滑りのスタイルや好みで選んで問題ありません。
ただし、スピードスラロームではスピードが出て、機敏な操作がしやすいブレットの方が良いでしょう。

ホッケー

 おすすめ形状:ブレット、フルラディアス
  
昔はフルラディアスのウィールが多かったのですが、今はブレットのものが多くなっています。
室内用ウィールは柔らかいウレタンや2層ウレタンを採用していて、力を掛けるとたわんで接地面積が大きくなるようにしているので、フルラディアスにする必要がなく、スピードが出しやすく操作性が良いブレットが多くなったと思われます。

アグレッシブ

 おすすめ形状:フラット、フルラディアス
  
アグレッシブ用ウィールとして販売されているものの多くはフラットということもあり、一番安定するフラットが基本となるでしょう。
Undercoverなどの一部のメーカーでは最近、フルラディアスなどの形状をしたアグレッシブ用ウィールを販売しています。スピードや操作性を重視する場合は、フラット以外のものを選ぶことも可能です。