長年、スラロームやフリースケート用の最上級モデルとして販売されていたHardcore Evoシリーズから、最新の HC Evo Pro がリリースされた。
スラロームに最適化されたブーツ というコンセプトや、熱成形可能なカーボンシェルといった基本設計を引き継ぎつつ、Powerslide独自の技術である Trinityマウント を取り入れた仕上がりとなっている。
商品
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
商品名 | HC Evo Pro | Trinity |
メーカー | Powerslide | - |
型番 | 908253 | - |
参考価格 | 65,000円(税別) | - |
総重量 | 1395g | EU40片足 |
構成
パーツ | ギア | 重量 | 規格 |
---|---|---|---|
ブーツ | HC Evo Pro (EU40) | 749g / 片足 | Trinity |
フレーム | Katana 3x90/225mm | 195g / 片足 | Trinity |
ウィール | Spinner 90mm/88A | 107g / 個 | - |
ベアリング | Twincam ILQ 9 Classic | 11g / 個 | - |
ブーツ
- EU40のブーツのみの片足分の重量は749g。
シェルとインナーが一体型ブーツで、軽量化が図られている。他社のスラローム用ブーツと比べても最軽量の部類に入る。 - 人間工学に基づいたインナーのパッド。
必要な箇所に必要な厚さのパッドが配置されている。圧迫感や痛みを感じることはなく、足に沿ってなじむようにフィットする。 - かかと浮きを防止する形状。
シェルにかかとがすっぽり収まり、アキレス腱の根元を挟むようにパッドが付いていて、かかとが浮ないようになっている。 - 熱成形が可能。
フィット感に不満がある場合や、ブーツが当たって足に痛みが出る場合は、専用オーブンなどで温めて自分の足型に成形することができる。
熱成形できるスラローム用ブーツは、他社製品の含めて唯一このブーツだけである。 - アッパー部分にはケブラー繊維を使用。
足の甲を覆うアッパー部分には軽くて頑丈なケブラー繊維を使い、しっかりサポートしてくれる。熱成形すると、この部分も成形される。 - ブーツ内のかかとが5mm高い。
膝をまっすぐ前に出しやすくして、スラロームをしやすくするための仕様。 - つま先部分の高さが低め。
これは足の指が真っすぐ伸びた状態をキープして、スラローム技をしやすくするための仕様。 - シェルのソール部分はカーボン製。
力の伝達のロスが極めて少ないので、ブーツ操作時のレスポンスが早く、加速も速い。 - グラスファイバー配合の剛性の高いカフ。
カフに負荷を掛けるような滑りをしても、しっかり支えてくれる。 - つま先部分を補強。
こすって削れてしまうことが多いつま先の先端部分が、樹脂パーツで補強されている。 - バンパーとバックルはネジ留め。
小指付け根の外側部分に付いているバンパーと2つのバックルは簡単に交換できる。 - Trinityマウントを採用。
Trinityフレームと組み合わせることによって、ブーツの重心が他のブーツより約1cm低くなる。
安定感が良く、エッジコントロールがしやすいなどのメリットがある。 - Xスロットを採用。
ブーツ側のマウントスロットは横長の穴になっていて、前2か所は約10mm、後ろは約25mm、左右に動かしてフレームを取り付けることができる。
フレーム
- Katana 3x90 Rockered 。
Trinityフレームの中で最高ランクとなるKatanaシリーズのフレーム。 - 素材は6061アルミニウム。
航空機材料としても使用されていて、とても頑丈で耐久性がある。キックした時のレスポンスが良い。 - Xスロットを採用。
フレーム側のマウントスロットが縦長の穴になっていて、前後に約10mm程度動かして、好みの位置に取り付けることができる。 - シャフトでロッカリング可能。
真ん中と後ろのウィールのシャフトは、差し込む向きで2mm上げ下げさせることができる。これにより、2輪とも下げる緩めのロッカリング、あるいは真ん中だけ下げるきつめのロッカリングに設定できる。 - フレーム長は215mm、225mm、235mmの3種類。
ブーツサイズによって付属するフレームの長さが異なる。詳しくは下表を参考に。
ブーツサイズ (EU) | フレーム長 (mm) |
---|---|
38〜39 | 215 |
40〜41 | 225 |
42〜46 | 235 |
ウィール
- Spinner 90mm/88A 。
Powerslide製の標準的な品質。 - スラロームやフリースケート用ウィール。
少し硬めだが、スラロームをしたり街中を滑っていて困ることもなく、スピン技やスライド技がやりやすい。グリップ感や耐久性も悪くない。
ベアリング
- Twincam ILQ 9 Classic 。
回転性能、耐久性ともに高品質なベアリング。 - 洗浄メンテナンス可能。
洗浄して再使用することを想定している製品のため、定期的に洗浄メンテナンスをすれば長く使い続けられる。
その他
- インソールが付属していない。
インソールを入れなくても問題なく履いて滑ることができる。足裏のフィット感を上げたい場合は、薄めのインソールを入れても良い。 - ヒールブレーキが付属していない。
ヒールブレーキが必要な場合は、HC Evo ProのKatana 3x90に対応する HABS Brake Urban を別途購入のこと。
使用感
全体的にふかふかするウレタンで包み込むようなインナーではないが、まったく違和感を感じないくらい足にフィットする。
熱成形の必要がないくらい快適な足入れ感と履き心地で、5年以上前の硬くて痛かったHardcore Evoからは想像できないくらい、完全に別物となっている。
フレックスは硬すぎることも柔らかすぎることもない。
カフのバックルやシューレースをゆるく締めてラフに履いても適度なサポート力は残っていて、しっかり締めてタイトに履いたら強いサポート力が得られる。
スケーターそれぞれの履き方や滑りのスタイルに対応可能な、適応力の高いブーツだと言える。
4輪ブーツに比べてウィールが1つ少ないので、ブーツ全体の重量が100g以上軽くなっている。
もともとブーツ自体がかなり軽いくてフィット感が良いことも合わさって、実際に履いてみると数字以上に軽く感じる。
90mmのウィールは76mmや80mmのウィールより少し大きめなので、加速や速度維持が楽で、荒れた路面でも減速しにくい。
Trinityマウント、カーボンソールやKatanaフレームなどおかげで、足の動きや加重に対して機敏に反応してくれるので、操作にストレスがない。
3x90フレームは、4x76フレームや4x80フレームとの滑走感に大きな違いはなかった。
特にフルフラットの場合は、滑っていて4輪との操作感の違いをほとんど感じないくらいだった。
2輪目と3輪目を下げたロッカリングで滑る場合は、ロッカリングによるグラグラする感覚がほとんどないため、4x76フレームや4x80フレームのロッカリングより安定感がある。
スラロームをする時は、FSSもトリックスラロームも軽快に滑ることができた。
FSSや基本スラローム技をする時は、3x90フレームでもあまり違和感を感じず、大きめのウィールのおかげでパイロンを抜けていくのが楽。
一方、ベタ足で滑ることが多いトリックスラロームでは、つま先荷重やかかと荷重が甘くなった時に、旋回性が悪いように感じる可能性もある。
スラロームだけでなく、基礎スケーティングの練習、街中でのフリースケートや河川敷で滑り続けても、何の問題もなく快適だった。
総評
カーボンソールとKatanaフレームによるレスポンスの良さ、足に沿うようなフィット感のインナーと剛性の高いカフによるサポート力の高さ、Trinityマウントによる安定感のある操作性など、スラロームを楽しむ上で最高のブーツに仕上がっている。
さらにオーブンによる熱成形ができるのも大きな強み。
HC Evo Proはスラロームを始めたばかりの初心者から競技会で優勝を目指す人まで、スラロームをする全ての人たちに自信を持っておすすめできるブーツだ。
そして、街中を滑り回る人たちにも勧められる1足でもある。
サイト | ページ | 説明 |
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Powerslide | Powerslide HC Evo Pro Trinity | 公式ページ |
Powerslide | Powerslide HABS Brake Urban | 公式ページ |
deeport online shop | POWERSLIDE 2018 HC EVO PRO | HC Evo Pro 販売ページ |