2017年に発売されたImperial Juniorは、大人用のImperialシリーズと同じ構造が特徴のジュニア用ブーツです。
シェルとインナーに分かれるハードブーツで、縦横にフレームの位置調整が可能なXスロットも備えています。
金属パーツが少し多く使用されているので、プラスチックのパーツばかりのブーツより、少し重くなっています。しかし、それを補って余りある、よく考えられた丁寧な作りになっています。
商品
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
商品名 | Imperial Junior | 2017モデル |
メーカー | Powerslide | - |
型番 | 908194 | - |
参考価格 | 23,000円(税別) | - |
総重量 | 1236g | 片足 |
構成
パーツ | ギア | 重量 | 規格 |
---|---|---|---|
ブーツ | Imperial Junior | 603g / 片足 | Vフレーム (165mm) |
フレーム | Gamma 4x72/219mm | 182g / 片足 | Vフレーム (165mm) |
ウィール | Undercover 90mm/88A | 75g / 個 | - |
ベアリング | Wicked ABEC 5 | 11g / 個 | 608 2RZ |
仕様概要
シェル
十分すぎるほどの剛性があり、足をがっちり支えてくれます。
フレームのマウント部分は金属プレートが埋め込まれています。
縦方向に約2cm動かして、フレームの取り付け位置を調整可能です。
足首を押さえるためのストラップは、簡単に交換することできる仕様になっています。
カフ
シェルと同じ素材が使用されているので、硬く剛性があり、子供の足をしっかりサポートくれます。
シェルとの取り付けとバックルの取り付けはリベット留めとなっています。
通常の使用で壊れることはあまり考えられませんが、もし修理や交換することになった場合は少し不便です。
インナーブーツ
大人用のImpelialと違って、熱成形できません。
しかし、過不足ないパッドが内蔵されているので、足が痛くなりにくいと思います。
足首上にシューホールが一対あり、フィット感の向上に役立ちます。
つま先部分の生地に伸縮性のあるネオプレーン地が使用されているので、足が大きくなってもつま先部分が窮屈になりにくくなっています。
インソール
かなり薄く、立体感もありません。
お世辞にも良いとは言えません。
フレーム
アルミ製のGammaフレームの4x72/219mmが取り付けられています。
強度を補強するブリッジはなく、ものすごく精度が良いものでもありませんが、必要十分な品質です。
フレームのマウントスロットが横長の穴になっていて、横方向に約2cm動かして、フレームの取り付け位置を調整可能です。
シャフトが少し重めで、精度も高くありません。
ウィール
Spinner 72mm/85Aが付いています。
スピードを出しやすく、またグリップ感もあるので、滑りやすいウィールです。
ベアリング
Wicked ABEC 5が入っています。
潤滑油はオイルなのでスムースに回転します。
片側ラバーシールドで、メンテナンスが楽な仕様となっています。
ヒールブレーキ
ヒールブレーキが同梱されていません。
そのため、ヒールブレーキを使用したい場合は、別売りの「Urban Brake size S(型番:908058/1)」を購入する必要があります。
サイズ展開
サイズは1つしかありません。その1サイズでEU34〜36(21.5cm〜23.0cm相当)に対応しています。
レビュー
シェル、カフ
シェルやカフのプラスチック樹脂は、素材も成形の厚さも大人用のImpelialと同じようです。
そのため、パーツが小さいImperial Juniorの方が、大人用より硬さが出て、剛性も高くなっているように見えます。
シェルやカフが硬めなので、サポート力が高めです。
カフの剛性が高く、カフの高さはあまり高くないので、バックルを少し緩めるだけで、サポート力をキープしたまま足首の可動域を増やすことができます。
バックルをきつめに締めてしまうと、足首が前後左右に動かなくなる可能性があり、そのままにしてしまうと滑りにくくなるはずなので、注意が必要です。
フレーム取り付け部分に金属プレートが埋め込まれているので、力の伝達の効率が良いです。また、重心が低くなるため、安定感も良いです。
その代わり、ブーツの重量が少し重くなっています。
Xスロット
シェル側で縦方向に、フレーム側で横方向にそれぞれ約2cm動かすことができる、Xスロットを採用しています。
ブーツを内側や外側に倒して滑るなど、滑りにクセがある場合は、フレームの位置を調整して、滑りやすくしてあげることができます。
フレーム
フレームは大人用のVフレームが取り付けられます。Xスロットのおかげフレームの位置調整が無段階でできるため、他社製品を含めほとんどのフレームに対応できると思います。
超軽量なPowerslideのAlpha Magフレームに交換したり、簡単にロッカリングできるFlying EagleのDriftフレームに交換して、好みに合わせたフレーム選びが可能です。
フレーム長は219mmです。
これは、フィットネス用ウィールとして一般的な最小サイズである72mmウィールを4輪入れた場合、最も短くなる長さです。
ジュニアブーツに付いているフレームは231mm以上のものが多い中、このImperial Juniorのフレーム長は219mmと短いため、子供にとって少しでも取り回しやすいようになっています。
スラロームを楽しんでいる場合は、1輪目と4輪目に68mmウィールを入れれば、ロッカリングが可能です。68mmのウィールは入手しにくいですが、PowerslideのSpinnerやHyperのPro250などにラインナップされています。
フレームのシャフトが鉄製で、重さが8.5gです。同メーカーのアルミ製シャフトが4.0gなので、約2倍の重さです。
アルミ製に交換しようとしても、残念ながら長さが合いません。
このシャフトの良い点としては、六角レンチでもトルクスレンチでも締めたり緩めたりできるので、手持ちのレンチで対応できます。
インソール
フレームがアルミ製で、そのフレームの取り付け部分には金属プレートが使用されていて、さらに付属のインソールもかなり薄いです。
これらが要因となって、路面からの振動を拾いやすくなっているので、屋外のアスファルト上などで長時間滑る場合は、足が疲れやすくなるかもしれません。
そこで、厚め(3mm以上)のインソールを入れると、足に伝わる振動がけっこう緩和されると思います。
また、厚いインソールは足が小さい場合、ブーツのフィット感アップにもなります。
ただし、3mm以上の厚さがあっても、柔らかすぎるインソールは、滑りにくくなるので気を付けてください。
具体的には、ソルボの「DSISソルボサッカージュニア」、Sidasの「コンフォートJr」、SUPERfeetの「Green」などが良いと思います。
インナーブーツに関しては、Powerslideはつま先が伸びることをアピールしていますが、足首の上に設けたシューホールも素晴らしいです。
このループ状の穴にシューレースを通すことによって、かかと浮きを抑える効果を得られます。
ヒールブレーキ
ヒールブレーキは別売りですが、付け刃的なものではありません。
4輪目から離れていない場所に取り付けられるので、ブレーキングがしやすく、安全かつ安心です。
まとめ
少し重いとか、インソールが薄いとかありますが、サイズが20cm以上のジュニア用4輪ブーツとしては、これ以上のものは存在しないのではないか、と思うくらいの品質です。
他のブーツでは、フレームが長くて滑りにくい、フレームの交換やフレーム位置の微調整ができない、作りが粗雑などなど、気になる点が多々ありますが、このImperial Juniorはそれらの問題点をほとんどクリアしています。
インラインスケートのブーツを詳しく知る人ほど、このブーツの出来の良さや汎用性の高さが分かると思います。
しかし、残念なことに、2017モデルのため、店頭での購入がとても難しくなっています。
一部のPowerslide取扱店にはまだ在庫があるかもしれませんが、見つからない場合はDeeportに取り寄せをお願いすることになると思います。
子供が履くブーツにもこだわってあげたいのであれば、このImpelial Juniorはおすすめの1足です。
参考ページ
サイト | ページ | 説明 |
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Powerslide | Imperial Junior | 公式ページ |